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FLOORPACK Vol.7 『よくある質問にお答えします!』

Q. 1階部分が下から開くので、物が落ちそうで不安
FLOORPACKの下部ジッパーはダブルジップ方式となっているので、きちんとジップをサイドで固定しておけば隙間から物が落ちたりする心配はありません。
また、今回FLOORPACKに使用した止水ジップは開閉がやや硬めの仕様になっているので、通常使用の範囲では移動時の振動でジップが勝手に開いてしまうということもありません。
Q. 1階部分が下から開くから、物を取り出しにくそう
こちらもダブルジップを使っていることにより、例えば外出先で1階部分からさっと物を取り出したい時は横から物を取り出すことができます。
Q. 1階部分が下から開くので、物が落ちそうで不安
FLOORPACKの下部ジッパーはダブルジップ方式となっているので、きちんとジップをサイドで固定しておけば隙間から物が落ちたりする心配はありません。
また、今回FLOORPACKに使用した止水ジップは開閉がやや硬めの仕様になっているので、通常使用の範囲では移動時の振動でジップが勝手に開いてしまうということもありません。
Q. 1階部分が下から開くから、物を取り出しにくそう
こちらもダブルジップを使っていることにより、例えば外出先で1階部分からさっと物を取り出したい時は横から物を取り出すことができます。
FLOORPACK Vol.6 『ついに完成』

バックパックの“中がゴチャゴチャ問題”に終止符を
メイン収納が大きく作られたバックパックは大きな荷物を運ぶときに便利ですが、荷物が少ないときや細々したモノを持ち運ぶのが苦手でした。
さらに、バックパックに特有の悩みとして、底の方の荷物に上からアクセスしにくいという問題があります。
バックパックの“中がゴチャゴチャ問題”に終止符を
メイン収納が大きく作られたバックパックは大きな荷物を運ぶときに便利ですが、荷物が少ないときや細々したモノを持ち運ぶのが苦手でした。
さらに、バックパックに特有の悩みとして、底の方の荷物に上からアクセスしにくいという問題があります。
FLOORPACK Vol.5 『少しでも多くの人の手に。バックパックの“価格設定”の話。』

前回までの記事で、1年に渡って続いたバックパックのサンプル作りが終わりました。
最後はかなり苦労しましたが、自分たちの納得いくモノを作れた自負はあります。手にとって実際に使ってもらったとしても「これは良いバッグだな」と言ってもらえる自信も、ちょっぴりあります。

だけど製品が完成したら最後の大きな仕事が待っています。
それは、製品の価値や売れ行きを決める大切な要素、価格設定です。
dripが当初想定した金額感
どんなにモノとして良い製品であっても価格と品質のバランスが取れていることが大前提。
2,000円で良いバックパック、10,000円で良いバックパックと、100,000円で良いバックパックでは作り方もアプローチの仕方も全く異なります。
だからこそ製品開発を行う前には、おおよその販売価格を想定してから話し合いを始めることがほとんどです。

今回、dripがバックパックを開発するにあたり目標としたのは「販売価格が20,000円〜25,000円」の金額レンジ。
大人が持っていても恥ずかしくなく、学生でも気に入ってもらえば背伸びして手が届きうる価格。
これより1つ上の30,000円〜40,000円の価格帯には名作バッグや人気バッグが多くひしめき合っていることもあり、「20,000円〜25,000円で30,000円〜40,000円レベルのモノを作りたい」という気持ちもありました。

かくして始まったバックパック作り。
実は、ファーストサンプルを作った段階では十分目標価格で収まりそうでした。LEKTさんの素材調達ルートや、熟練の工場職人による技術で仕入れも製作も効率よく勧められたのが大きな要因です。
何度もサンプルをやり直すともちろんその分の費用が掛かります。かなり複雑なバックパックの構造を、1回のサンプル試作で作れたからこそ、目標金額に収められることができていました。
こだわり抜いた結果、原価が高騰…
しかし、デザイン面を決める際にサンプル開発が難航したのは前回の記事(Vol.4)でご紹介した通り。

ナイロン素材を国産のバリスティックナイロンに変更したり、牛革を熟成レザーに変えるといった素材のアップグレード。

↑バックパックサンプル製作の軌跡
さらに大きさや補強財の調整、裏地の張り替え、フロントデザインの検討など、何度もサンプルを繰り返し見た目と使い勝手をブラッシュアップしていきました。
そして、ようやく完成したバックパックと一緒に添えられていた見積書を見て2人は一瞬言葉を失いました。
堀口(drip):え、思ってた以上に原価が高くなっている…
平岡(drip):これは…。もろもろの販売手数料と梱包費用を入れたらほぼ利益なしって感じだね。笑
堀口(drip):少なくとも1年間開発に動いてきた人件費を考えたら真っ赤っかだね…!
こんな感じでなんとか完成したバックパックは想像以上に原価が高くなってしまいました。

例えば、バッグの底面や持ち手に貼った熟成レザーの分量だけで考えてもPRESSoが1つ作れるくらいの革の量があります。価格が上がってしまうのは当然といえば当然。
価格を当初の想定金額で売ればほぼ利益が残らなくなってしまうので、原価の分だけ販売価格を高くするしか手はありません。
もちろんこだわって作った分、販売価格が少し高くなっても納得してもらえる自信はあります。
でも、普段からいろんなモノを見て、動画で紹介している2人だからこそ価格と品質のバランスには厳しい目を持っています。
平岡(drip):例えばこのバッグが26,800円だとしても全然おかしくはないと思うけど、コスパが良くて感動とまではいかないよね。
堀口(drip):学生でdripを応援してくれている人も多いから、ぼくはちょっとでも買いやすい価格がいいな。
こんな感じで高騰してしまった原価に対して、少しでも販売価格を抑える方法を模索していくことにしました。
少しでも安く売るために、、、①発注量を増やす
原価を下げるためにできるまず考えたのが発注量を増やすこと。
ものづくりは生産ロットを増やすことで1つあたりの価格を下げることができます。1度にたくさん作ればそれだけ値段が安くなるのです。
ただ、いくつ売れるかわからない中で、たくさん製品を作るのはもちろん売れ残るリスクもあります。
堀口(drip):ウチ規模の会社だと売れ残りがたくさん発生すると辛いけど、価格を下げるにはたくさん作るしかない…!
当初は多くとも数百個程度の発注を想定していましたが、今回は大きくリスクをとって一気に1,000個発注をかけることに。
これによって多少原価率を安く交渉することができました。
平岡(drip):先払いで1000万円以上のお金が飛んでいくのか…怖いな…
少しでも安く売るために、、、②利益を減らして販売額を安くする

リスクをとって発注数を増やしたといえど、それでもまだ目標価格には収まりません。
色々話し合った末に最後に行き着いたのが利益率を減らすという選択肢。dripの利益を削ることで少しでも販売価格を安くしようというシンプルな作戦です。
堀口(drip):色々試算してみたんだけど、24,800円、22,800円、19,800円の3パターンかな。もちろん安くするほどウチの利益は薄くなるけど
平岡(drip):むしろ19,800円だとクラファンの手数料を引いたらもうほぼ利益が残らないね…笑
最後はやっぱりdripユーザーの声で
22,800円や24,800円でも買うという声も多かったですが、やっぱり圧倒的に多かったのは19,800円という声。
平岡(drip):この聞き方だと必然的に19,800円の票が多くなっちゃうのはあるとして、それでも半数以上は2万円以下を希望しているんだね。
堀口(drip):「3万円以下なら買います」という意見も結構多かったから、24,800円でもそれなりには売れると思う。あとは何を目標にするかっていうところかもね。
たくさんの方からいただいた意見に目を通しながら、待ってくれている人の期待に答えつつ自分たちの理想を実現できる価格設定を再び話し合います。そうして出た結論は…19,800円
誇張抜きでクラファンではほとんど利益は残らない計算ですが、アンケートに回答してくれた人たちの想いに応えたいというのが決め手になりました。そして作りに自信があるからこそ、多くの人に使ってもらい、前回実施したonegerの1,500万円を上回りたい。
そんな気持ちから利益よりも手に取りやすさを重視して、できうる限り価格を抑えました。
堀口(drip):ざっくり計算だけど19,800円なら、支援額が2,000万円くらいでようやく収支でプラスになるくらいかな。
平岡(drip):どうせやるならoneger超えは絶対目指したいし、逆にちょうど良い価格設定だったかもね。
かくして予想以上に悩み難航した価格設定ですが、最終的には19,800円という当初の目標値に収めることができました。
これで本当に準備は全て完了。あとはクラファンに向けて準備を進めるだけです。

バックパックのクラウドファンディングは2021年1月26日からスタートに決定。dripとしても大きくリスクを取ったクラファンになるので、ぜひみなさんのご支援よろしくお願いいたします!
前回までの記事で、1年に渡って続いたバックパックのサンプル作りが終わりました。
最後はかなり苦労しましたが、自分たちの納得いくモノを作れた自負はあります。手にとって実際に使ってもらったとしても「これは良いバッグだな」と言ってもらえる自信も、ちょっぴりあります。

だけど製品が完成したら最後の大きな仕事が待っています。
それは、製品の価値や売れ行きを決める大切な要素、価格設定です。
dripが当初想定した金額感
どんなにモノとして良い製品であっても価格と品質のバランスが取れていることが大前提。
2,000円で良いバックパック、10,000円で良いバックパックと、100,000円で良いバックパックでは作り方もアプローチの仕方も全く異なります。
だからこそ製品開発を行う前には、おおよその販売価格を想定してから話し合いを始めることがほとんどです。

今回、dripがバックパックを開発するにあたり目標としたのは「販売価格が20,000円〜25,000円」の金額レンジ。
大人が持っていても恥ずかしくなく、学生でも気に入ってもらえば背伸びして手が届きうる価格。
これより1つ上の30,000円〜40,000円の価格帯には名作バッグや人気バッグが多くひしめき合っていることもあり、「20,000円〜25,000円で30,000円〜40,000円レベルのモノを作りたい」という気持ちもありました。

かくして始まったバックパック作り。
実は、ファーストサンプルを作った段階では十分目標価格で収まりそうでした。LEKTさんの素材調達ルートや、熟練の工場職人による技術で仕入れも製作も効率よく勧められたのが大きな要因です。
何度もサンプルをやり直すともちろんその分の費用が掛かります。かなり複雑なバックパックの構造を、1回のサンプル試作で作れたからこそ、目標金額に収められることができていました。
こだわり抜いた結果、原価が高騰…
しかし、デザイン面を決める際にサンプル開発が難航したのは前回の記事(Vol.4)でご紹介した通り。

ナイロン素材を国産のバリスティックナイロンに変更したり、牛革を熟成レザーに変えるといった素材のアップグレード。

↑バックパックサンプル製作の軌跡
さらに大きさや補強財の調整、裏地の張り替え、フロントデザインの検討など、何度もサンプルを繰り返し見た目と使い勝手をブラッシュアップしていきました。
そして、ようやく完成したバックパックと一緒に添えられていた見積書を見て2人は一瞬言葉を失いました。
堀口(drip):え、思ってた以上に原価が高くなっている…
平岡(drip):これは…。もろもろの販売手数料と梱包費用を入れたらほぼ利益なしって感じだね。笑
堀口(drip):少なくとも1年間開発に動いてきた人件費を考えたら真っ赤っかだね…!
こんな感じでなんとか完成したバックパックは想像以上に原価が高くなってしまいました。

例えば、バッグの底面や持ち手に貼った熟成レザーの分量だけで考えてもPRESSoが1つ作れるくらいの革の量があります。価格が上がってしまうのは当然といえば当然。
価格を当初の想定金額で売ればほぼ利益が残らなくなってしまうので、原価の分だけ販売価格を高くするしか手はありません。
もちろんこだわって作った分、販売価格が少し高くなっても納得してもらえる自信はあります。
でも、普段からいろんなモノを見て、動画で紹介している2人だからこそ価格と品質のバランスには厳しい目を持っています。
平岡(drip):例えばこのバッグが26,800円だとしても全然おかしくはないと思うけど、コスパが良くて感動とまではいかないよね。
堀口(drip):学生でdripを応援してくれている人も多いから、ぼくはちょっとでも買いやすい価格がいいな。
こんな感じで高騰してしまった原価に対して、少しでも販売価格を抑える方法を模索していくことにしました。
少しでも安く売るために、、、①発注量を増やす
原価を下げるためにできるまず考えたのが発注量を増やすこと。
ものづくりは生産ロットを増やすことで1つあたりの価格を下げることができます。1度にたくさん作ればそれだけ値段が安くなるのです。
ただ、いくつ売れるかわからない中で、たくさん製品を作るのはもちろん売れ残るリスクもあります。
堀口(drip):ウチ規模の会社だと売れ残りがたくさん発生すると辛いけど、価格を下げるにはたくさん作るしかない…!
当初は多くとも数百個程度の発注を想定していましたが、今回は大きくリスクをとって一気に1,000個発注をかけることに。
これによって多少原価率を安く交渉することができました。
平岡(drip):先払いで1000万円以上のお金が飛んでいくのか…怖いな…
少しでも安く売るために、、、②利益を減らして販売額を安くする

リスクをとって発注数を増やしたといえど、それでもまだ目標価格には収まりません。
色々話し合った末に最後に行き着いたのが利益率を減らすという選択肢。dripの利益を削ることで少しでも販売価格を安くしようというシンプルな作戦です。
堀口(drip):色々試算してみたんだけど、24,800円、22,800円、19,800円の3パターンかな。もちろん安くするほどウチの利益は薄くなるけど
平岡(drip):むしろ19,800円だとクラファンの手数料を引いたらもうほぼ利益が残らないね…笑
最後はやっぱりdripユーザーの声で
22,800円や24,800円でも買うという声も多かったですが、やっぱり圧倒的に多かったのは19,800円という声。
平岡(drip):この聞き方だと必然的に19,800円の票が多くなっちゃうのはあるとして、それでも半数以上は2万円以下を希望しているんだね。
堀口(drip):「3万円以下なら買います」という意見も結構多かったから、24,800円でもそれなりには売れると思う。あとは何を目標にするかっていうところかもね。
たくさんの方からいただいた意見に目を通しながら、待ってくれている人の期待に答えつつ自分たちの理想を実現できる価格設定を再び話し合います。そうして出た結論は…19,800円
誇張抜きでクラファンではほとんど利益は残らない計算ですが、アンケートに回答してくれた人たちの想いに応えたいというのが決め手になりました。そして作りに自信があるからこそ、多くの人に使ってもらい、前回実施したonegerの1,500万円を上回りたい。
そんな気持ちから利益よりも手に取りやすさを重視して、できうる限り価格を抑えました。
堀口(drip):ざっくり計算だけど19,800円なら、支援額が2,000万円くらいでようやく収支でプラスになるくらいかな。
平岡(drip):どうせやるならoneger超えは絶対目指したいし、逆にちょうど良い価格設定だったかもね。
かくして予想以上に悩み難航した価格設定ですが、最終的には19,800円という当初の目標値に収めることができました。
これで本当に準備は全て完了。あとはクラファンに向けて準備を進めるだけです。

バックパックのクラウドファンディングは2021年1月26日からスタートに決定。dripとしても大きくリスクを取ったクラファンになるので、ぜひみなさんのご支援よろしくお願いいたします!
FLOORPACK Vol.4 『機能とデザインを両立するバッグを作ろうとしたら、迷走してかなり苦労した話。』note_title4

バッグブランドLEKTとdripによる理想のバックパック製作プロジェクト。
前回の記事(Vol.2)ではバックパック好きの座談会で集まったアイデアを抽出し、それを具体的な製品に落とし込んで作った施策サンプルをご紹介しました。

↑1stサンプルで機能についてはほぼ実装が完了
LEKTさんの高い技術力もありバッグの機能自体はほぼ申し分ない出来に仕上がったので、あとはバッグの見た目を整えていくだけ。
…ただこの“見た目”というのが、ぼくらが想像する以上に難しくサンプル作りは泥沼化していきました。
今回の記事ではそんなサンプル作りの裏側と、バックパックのデザインの変遷をご紹介します。
目次
サイズ感と補強材の調整
フロントのステッチをどうする?
素材をより高品質にアップデート
最後のフロントの仕上げに迷う…
漂うコレジャナイ感
サイズ感と補強材の調整

ファーストサンプルを背負ってみて真っ先に感じたのが「デカくて強い」というイメージ。
男性が背負ってもかなり大きなサイズ感があり、かつバッグ全体に使った補強材(バッグを保形したり、中の物を衝撃から守るための材)が厚く、存在感のあるデザインでした。
そこで、まずは全体のサイズ感を小さく。さらにバックの外側に取り付けていたPC用の収納スペースをバッグの中に移動させました。

補強材の厚みも半分に調整し、より日常使いしやすいバッグへと変更しました。

↑2ndサンプルではコンパクト・カジュアル化を意識してオーダー
フロントのステッチをどうする?

全体のサイズ感や雰囲気を整えることができたら、次はバックパックのフロントに入ったステッチをどうするか問題。
というのもこのフロントステッチはバックパックのメイン室を上下に分ける「2階建て構造」を実現する上で、どうしてもフロントに出てしまうステッチなのです。
堀口(drip):うーん、でもどうにかしてこのステッチを目立たなくできないかな…
平岡(drip):確かに変ではないけど、余計な装飾は極力避けたいなぁ…
シンプル&ミニマルな見た目を追求したい堀口・平岡はなんとかこのステッチをうまく処理できないかと考えます。

悩んだ末に出てきたアイデアを全部試してみようとなり、ここで一気に3つのサンプルを製作しました。

①フロントステッチは残しつつも極力目立ちにくいステッチで仕上げるたもの。

②ステッチをあえて活かすという方法で、革パッチを貼り付けてデザインとして残したもの。

③フロントにもう1枚ナイロン生地を覆い被せ、ステッチを消してシンプルな面を見せるもの。
堀口(drip):こうして見るとフロントにラインがあってもデザインとしてはサマになっているね。
色々な可能性を探った結果、やはりフロントのステッチングはなくすことで合意。サンプル③の方向性で固まりました。

さらに、同じタイミングでバックパックの背面、ショルダーストラップの裏面にあったメッシュを排除。よりシンプルでデイリーに使いやすい見た目に仕上げていきます。

↑一気に3つの異なるサンプルを作るという強行策!おかげで方向性がスムーズに決まりました!
素材をより高品質にアップデート

ここまでは装飾的な部分に注目して改善してきましたが、イマイチ垢抜けない印象が拭えなかった2人。
平岡(drip):シンプルでいいんだけど、なんかちょっと軽い感じがするよね…
堀口(drip):自社製品ではあるけど、今の状態だと正直安っぽさを感じるよね。
思い悩んで2人が手をつけたのが素材感。これまでは光沢のあるナイロン素材をベースに、牛革をアクセントとして使っていました。

まずは、このナイロン素材を光沢感のあるものではなく、肉厚な国産のバリスティックナイロンに変更。国産素材にすることで原価率はかなり上がってしまいましたが、見た目や雰囲気は一気に良くなりました。
次は、持ち手やバックの底面に貼った牛革素材。これまでも国産の質の高い牛革を使っていましたが、思い切ってdripお馴染みの熟成レザーを使うことに。

PRESSoをはじめとするdrip製品に多く使われている熟成レザーは、通常の牛革に比べ肉厚で圧倒的な品質と存在感ですが、そのぶん原価もかなり高くなります。そんな熟成レザーを思い切ってバックに採用しました。

バッグ底面に貼った革で見比べてみます。下がこれまでの皮革素材で上が熟成レザー。写真で見てもその違いが分かると思います。


そして使いやすさにももうひと工夫。
メイン収納の裏地はブラックですが、上部と背面の小物ポケットに関しては中のモノが見やすいように白地に張り替えました。

↑4次サンプルでは素材を高品質に変えて、より完成度を高めた
最後のフロントの仕上げに迷う…
ここまで順調に1つずつ改善してきたバックパックのデザインですが、最後のフロントデザインのところで行き詰まってしまう2人。
というのもミニマルをテーマにフロントのステッチをなくし全面フラットな見た目にしたのですが、「これはこれでなんだか少し物足りないな…」と気になってしまいました。
堀口(drip):悪くはないけど、なんかワンポイントあっても良いよね。
ということでここからバックパックにワンポイントデザインを加えるべく、いろんなバックパックを参考にしながら仕様を決めていきます。
平岡(drip):drip製品の本質は“機能美”だと思うから、デザインのためだけのワンポイントっていうのは避けたいな…
堀口(drip):鉄板はロゴマークだけど、さすがにロゴをこんなにわかりやすい場所に載せるのは違うな…
機能とは違ってデザインという正解のない問題を考えるのは難しく、1~2週間ほど話し合いをしました。
そして、最終的に決まったのは「フロントに小さなポケットをつけよう」というアイデア。無難ですがこれがもっとも機能とデザインのバランスが取れると思っての決断です。

↑これでようやくサンプル製作が終わった…?
「サンプル作りもこれで終わって、やっと製品版が完成した!」
そんな思いでフロントポケットを付け加えるよう工場に修正指示をしました。
あとは完成したものを待つばかり、そう思っていたのですが…?
漂うコレジャナイ感
それから約3週間(サンプルを1度作り直すのには、だいたい1ヶ月弱かかるのです…!)、完成した最終版となるはずのバックパックを2人でワクワクしながら取り出してみると…


…そこはかと漂うコレジャナイ感。
堀口(drip):決して悪いわけではないんだけど、なんかカジュアルになりすぎてる感じ…?
平岡(drip):ぼくらは今まで機能を作っていく過程でデザインが決まってくるというアプローチだったけど、今回のポケットはもっぱら“デザインを加えよう”としてしまったから、なんか違和感があるね…
「言葉ではうまく表現できないけど、なんか違う」というモヤモヤする状況ですが、このままではリリースすることはできないという意見は2人の中で一致。より良い方向性を探るべく、他にどういうワンポイントがあれば良いかを考えます。
しかし、度重なるサンプルの修正により工場さんからは「これ以上サンプル修正に付き合うのは厳しい」と言われてしまいます。サンプル製品を1つだけ作るといのはラインで生産を管理する工場にとっても大きな負担になっていました。

↑実際にdripバッグを製作いただいている様子
LEKTさんがdripのこだわりを懸命に工場側に伝えてくれた結果、「サンプルの修正は次が最後」というラストチャンスをもらいました。工場さんやLektさんには本当に頭が上がりません。。。
最後にもらったラストチャンス、どうサンプルを修正するか。ここで改めてdripの強みやdripがみんなから求められていることに立ち返ってみることにしました。
平岡(drip):良い意味でぼくらはデザイナーじゃないから、やっぱり“デザインだけ”を作ろうとしても上手くいかないんじゃないかな。
堀口(drip):多くのバッグにはフロントに何かワンポイントがあるものだけど、それが当たり前ではないし、固定概念を捨てて自分たちらしいものが作れるならそれが一番いいかもね。
泣いても笑ってもラスト1回の修正。これで満足できない結果なら、また別の工場を探すか開発を諦めるかしかない状況です。
悩んだ末に2人が出した結論は、、、
「ポケットを外してフロントはフラットなままで」。
全体のサイズだけ気持ち大きいなと感じたので、そこを1cmだけ小さく設定し最終サンプルをオーダー。
そして届いたバッグがこちら。見た目こそ第5次サンプルに戻った形ですが、紆余曲折あったからこそ今のこのデザインに自信と納得感を得ることができました。



↑バックパックサンプル製作の軌跡

↑何度もサンプル製作を繰り返した結果、オフィスがバッグだらけになりました笑
こうしてようやく完成したdripのバックパック。気づけばバックパックMTGを開催してから1年以上が経過してしまいました…!
参加していただいた方、大変お待たせしました!
次回は、改めてdripが作ったバックパックの機能や魅力、こだわりについてご紹介しようと思います。
バッグブランドLEKTとdripによる理想のバックパック製作プロジェクト。
前回の記事(Vol.2)ではバックパック好きの座談会で集まったアイデアを抽出し、それを具体的な製品に落とし込んで作った施策サンプルをご紹介しました。

↑1stサンプルで機能についてはほぼ実装が完了
LEKTさんの高い技術力もありバッグの機能自体はほぼ申し分ない出来に仕上がったので、あとはバッグの見た目を整えていくだけ。
…ただこの“見た目”というのが、ぼくらが想像する以上に難しくサンプル作りは泥沼化していきました。
今回の記事ではそんなサンプル作りの裏側と、バックパックのデザインの変遷をご紹介します。
目次
サイズ感と補強材の調整
フロントのステッチをどうする?
素材をより高品質にアップデート
最後のフロントの仕上げに迷う…
漂うコレジャナイ感
サイズ感と補強材の調整

ファーストサンプルを背負ってみて真っ先に感じたのが「デカくて強い」というイメージ。
男性が背負ってもかなり大きなサイズ感があり、かつバッグ全体に使った補強材(バッグを保形したり、中の物を衝撃から守るための材)が厚く、存在感のあるデザインでした。
そこで、まずは全体のサイズ感を小さく。さらにバックの外側に取り付けていたPC用の収納スペースをバッグの中に移動させました。

補強材の厚みも半分に調整し、より日常使いしやすいバッグへと変更しました。

↑2ndサンプルではコンパクト・カジュアル化を意識してオーダー
フロントのステッチをどうする?

全体のサイズ感や雰囲気を整えることができたら、次はバックパックのフロントに入ったステッチをどうするか問題。
というのもこのフロントステッチはバックパックのメイン室を上下に分ける「2階建て構造」を実現する上で、どうしてもフロントに出てしまうステッチなのです。
堀口(drip):うーん、でもどうにかしてこのステッチを目立たなくできないかな…
平岡(drip):確かに変ではないけど、余計な装飾は極力避けたいなぁ…
シンプル&ミニマルな見た目を追求したい堀口・平岡はなんとかこのステッチをうまく処理できないかと考えます。

悩んだ末に出てきたアイデアを全部試してみようとなり、ここで一気に3つのサンプルを製作しました。

①フロントステッチは残しつつも極力目立ちにくいステッチで仕上げるたもの。

②ステッチをあえて活かすという方法で、革パッチを貼り付けてデザインとして残したもの。

③フロントにもう1枚ナイロン生地を覆い被せ、ステッチを消してシンプルな面を見せるもの。
堀口(drip):こうして見るとフロントにラインがあってもデザインとしてはサマになっているね。
色々な可能性を探った結果、やはりフロントのステッチングはなくすことで合意。サンプル③の方向性で固まりました。

さらに、同じタイミングでバックパックの背面、ショルダーストラップの裏面にあったメッシュを排除。よりシンプルでデイリーに使いやすい見た目に仕上げていきます。

↑一気に3つの異なるサンプルを作るという強行策!おかげで方向性がスムーズに決まりました!
素材をより高品質にアップデート

ここまでは装飾的な部分に注目して改善してきましたが、イマイチ垢抜けない印象が拭えなかった2人。
平岡(drip):シンプルでいいんだけど、なんかちょっと軽い感じがするよね…
堀口(drip):自社製品ではあるけど、今の状態だと正直安っぽさを感じるよね。
思い悩んで2人が手をつけたのが素材感。これまでは光沢のあるナイロン素材をベースに、牛革をアクセントとして使っていました。

まずは、このナイロン素材を光沢感のあるものではなく、肉厚な国産のバリスティックナイロンに変更。国産素材にすることで原価率はかなり上がってしまいましたが、見た目や雰囲気は一気に良くなりました。
次は、持ち手やバックの底面に貼った牛革素材。これまでも国産の質の高い牛革を使っていましたが、思い切ってdripお馴染みの熟成レザーを使うことに。

PRESSoをはじめとするdrip製品に多く使われている熟成レザーは、通常の牛革に比べ肉厚で圧倒的な品質と存在感ですが、そのぶん原価もかなり高くなります。そんな熟成レザーを思い切ってバックに採用しました。

バッグ底面に貼った革で見比べてみます。下がこれまでの皮革素材で上が熟成レザー。写真で見てもその違いが分かると思います。


そして使いやすさにももうひと工夫。
メイン収納の裏地はブラックですが、上部と背面の小物ポケットに関しては中のモノが見やすいように白地に張り替えました。

↑4次サンプルでは素材を高品質に変えて、より完成度を高めた
最後のフロントの仕上げに迷う…
ここまで順調に1つずつ改善してきたバックパックのデザインですが、最後のフロントデザインのところで行き詰まってしまう2人。
というのもミニマルをテーマにフロントのステッチをなくし全面フラットな見た目にしたのですが、「これはこれでなんだか少し物足りないな…」と気になってしまいました。
堀口(drip):悪くはないけど、なんかワンポイントあっても良いよね。
ということでここからバックパックにワンポイントデザインを加えるべく、いろんなバックパックを参考にしながら仕様を決めていきます。
平岡(drip):drip製品の本質は“機能美”だと思うから、デザインのためだけのワンポイントっていうのは避けたいな…
堀口(drip):鉄板はロゴマークだけど、さすがにロゴをこんなにわかりやすい場所に載せるのは違うな…
機能とは違ってデザインという正解のない問題を考えるのは難しく、1~2週間ほど話し合いをしました。
そして、最終的に決まったのは「フロントに小さなポケットをつけよう」というアイデア。無難ですがこれがもっとも機能とデザインのバランスが取れると思っての決断です。

↑これでようやくサンプル製作が終わった…?
「サンプル作りもこれで終わって、やっと製品版が完成した!」
そんな思いでフロントポケットを付け加えるよう工場に修正指示をしました。
あとは完成したものを待つばかり、そう思っていたのですが…?
漂うコレジャナイ感
それから約3週間(サンプルを1度作り直すのには、だいたい1ヶ月弱かかるのです…!)、完成した最終版となるはずのバックパックを2人でワクワクしながら取り出してみると…


…そこはかと漂うコレジャナイ感。
堀口(drip):決して悪いわけではないんだけど、なんかカジュアルになりすぎてる感じ…?
平岡(drip):ぼくらは今まで機能を作っていく過程でデザインが決まってくるというアプローチだったけど、今回のポケットはもっぱら“デザインを加えよう”としてしまったから、なんか違和感があるね…
「言葉ではうまく表現できないけど、なんか違う」というモヤモヤする状況ですが、このままではリリースすることはできないという意見は2人の中で一致。より良い方向性を探るべく、他にどういうワンポイントがあれば良いかを考えます。
しかし、度重なるサンプルの修正により工場さんからは「これ以上サンプル修正に付き合うのは厳しい」と言われてしまいます。サンプル製品を1つだけ作るといのはラインで生産を管理する工場にとっても大きな負担になっていました。

↑実際にdripバッグを製作いただいている様子
LEKTさんがdripのこだわりを懸命に工場側に伝えてくれた結果、「サンプルの修正は次が最後」というラストチャンスをもらいました。工場さんやLektさんには本当に頭が上がりません。。。
最後にもらったラストチャンス、どうサンプルを修正するか。ここで改めてdripの強みやdripがみんなから求められていることに立ち返ってみることにしました。
平岡(drip):良い意味でぼくらはデザイナーじゃないから、やっぱり“デザインだけ”を作ろうとしても上手くいかないんじゃないかな。
堀口(drip):多くのバッグにはフロントに何かワンポイントがあるものだけど、それが当たり前ではないし、固定概念を捨てて自分たちらしいものが作れるならそれが一番いいかもね。
泣いても笑ってもラスト1回の修正。これで満足できない結果なら、また別の工場を探すか開発を諦めるかしかない状況です。
悩んだ末に2人が出した結論は、、、
「ポケットを外してフロントはフラットなままで」。
全体のサイズだけ気持ち大きいなと感じたので、そこを1cmだけ小さく設定し最終サンプルをオーダー。
そして届いたバッグがこちら。見た目こそ第5次サンプルに戻った形ですが、紆余曲折あったからこそ今のこのデザインに自信と納得感を得ることができました。



↑バックパックサンプル製作の軌跡

↑何度もサンプル製作を繰り返した結果、オフィスがバッグだらけになりました笑
こうしてようやく完成したdripのバックパック。気づけばバックパックMTGを開催してから1年以上が経過してしまいました…!
参加していただいた方、大変お待たせしました!
次回は、改めてdripが作ったバックパックの機能や魅力、こだわりについてご紹介しようと思います。
FLOORPACK Vol.3 『オリジナルバックパックの初期サンプルが到着!こだわりの機能をご紹介します。』

dripとバックパックブランドLEKTによる理想のバックパック開発プロジェクト。
前回はバックパックに欲しい要素を徹底的に洗い出し、それを仕様にまとめてファーストサンプルを発注しました。

そして届いたサンプルがこちら。連載1本目で紹介したバックパック好きな人たちのアイデアを取り入れ、さらに技術力のあるLEKTさんに制作いただいたこともありファーストサンプルとしてはかなり完成度の高いものが上がってきました。


外観デザインに関しては現在も改良中なのですが、バックパックの主要な機能はかなりイメージに近いものができたので、今回の記事では私たちが作ったバックパックの機能面にフォーカスを当ててご紹介しようと思います。
目次
メイン収納は可変式セパレート
ガバッと開閉するので中のものが取り出しやすい
16インチまで収納可能なPCスリーブ
小分けに便利なサイドポケット
すぐにアクセスできる上部ポケット
背負った状態でも手が届く背面ポケット
機能だけのバックパックにはしたくない
メイン収納は可変式セパレート


今回のバックパックの目玉となる機能がメインの収納部分。
ここは上下で部屋が区切られた仕様になっているので、大きな収納部分を2つに分けて使うことができます。
写真が好きな人は上の収納にカメラを入れて出し入れしやすくしたり、仕事帰りにジムに通う社会人の方は下の大きな収納に着替えを入れておいたり。
バッグに入れるものの大きさと、取り出す頻度に応じて上下の部屋を自分好みに使い分けることができます。
上下に収納を分けることで取り出したいものがカバンの奥底に埋もれるのを防いでくれる効果もあります。



さらにこのメイン収納の仕切りはマジックテープで固定しているので、簡単に取り外すこともできます。そうすると上下で2つだった収納が、1つの大きな収納に早変わり。大きな荷物を持ち運びたい時にも、一瞬で収納スペースを増やすことができます。

大きな荷物を持ち運ぶ時は部屋を分けずに広々と使う

ジム通いの方は上に荷物を、下部分に着替えを入れても良し
可変式セパレート構造によって、大きなメイン収納をそのまま使ったり2つに仕切ったりと、自分の用途に応じた使い方ができるようになります。
ガバッと開閉するので中のものが取り出しやすい
メイン収納へは上下2つのジッパーからアクセスが可能です。ここでは2つの収納に合わせて開閉の仕方を変えています。



上部の収納はバッグの側面を斜めに走るようなジップを開けてアクセスします。
通常のバックパックはジップがまっすぐ左右に伸びることが多いですが、あえて斜めにジップを走らせることによりバッグがガバッと開いて、物の出し入れをしやすくしました。



そして下部の収納は上部とはジップの方向を逆に配置。
バッグの底部からジップを開いて中にアクセスできるようになっています。
これによりフロント部分をガバッと開くことができるので、まるでスーツケースのように中に入っているものを俯瞰で見渡すことができます。
上部の収納は上部からガバッと、下部の収納はフロントからガバッと。
バックパックにありがちな物の取り出しにくさや、中に入れた物の確認のしづらさを解消しました。
16インチまで収納可能なPCスリーブ

メインの収納部分と仕切りを1枚隔てた裏側には、PCやタブレットを収納できるスリーブがあります。ここには16インチMacBook Proがギリギリ収まる大きさに調整。仕事でもプライベートでもパソコンを常に持ち運びたいぼくらにとっては大切なスペースです。
小分けに便利なサイドポケット

メイン収納下部の側面には伸縮性のあるポケットを貼り付け。筆箱やモバイルバッテリーなど細々したものを小分けにしておくのに使えます。
すぐにアクセスできる上部ポケット


バッグの天面には、ちょっとした小物や頻繁に使う物を収納できるクイックアクセスポケットを搭載。財布やガジェットポーチ、チケット類などさっと取り出したい物を入れておくのに便利です。
背負った状態でも手が届く背面ポケット


バッグの背中側の下部には、小さな背面ポケットを両側に設置。ここは、バッグを背負いながらでもアクセスがしやすいので、鍵やパスホルダーなどを入れるのに使えそうです。
機能だけのバックパックにはしたくない
ここまでのバックパックの機能についてはぼくら自身もかなり理想に近づいていると感じています。
ただ、バックパックというのは物を運ぶ道具であるだけでなく、大切なファッションアイテムの1つだと感じています。そう考えた時にまだこのバッグは機能が豊富なバッグの域を出ていないと感じています。

例えば、サイズが全体的に大きくて日常使いしにくかったり、バッグを支える補強材を入れすぎたことで“箱感”を強く感じるデザインになってしまいました。(社内ではこのファーストサンプルを“Uber Eatsバッグ”と呼んでいます。)

さらに、見た目以外にもバッグの重心設計が甘く、物を入れた時に背中へのフィット感が弱いことも気になります。
機能に優れたバックパックというのは国内外を探してもたくさん見つかりますが、ぼくらが作りたいのは機能に加えて背負った時の見た目もおしゃれなバックパック。
ここからは前半で紹介したバッグの機能や機構を保ちながら、いかにデザインを洗練させられるかというフェーズに突入。(そして現在もこの長い戦いの最中です…)

フロントのデザインだけでも3つのサンプルを作って検討しています
というわけでこの後も何度もサンプルを作り直しては細かくデザインを詰めていきます。
次回もお楽しみに!
dripとバックパックブランドLEKTによる理想のバックパック開発プロジェクト。
前回はバックパックに欲しい要素を徹底的に洗い出し、それを仕様にまとめてファーストサンプルを発注しました。

そして届いたサンプルがこちら。連載1本目で紹介したバックパック好きな人たちのアイデアを取り入れ、さらに技術力のあるLEKTさんに制作いただいたこともありファーストサンプルとしてはかなり完成度の高いものが上がってきました。


外観デザインに関しては現在も改良中なのですが、バックパックの主要な機能はかなりイメージに近いものができたので、今回の記事では私たちが作ったバックパックの機能面にフォーカスを当ててご紹介しようと思います。
目次
メイン収納は可変式セパレート
ガバッと開閉するので中のものが取り出しやすい
16インチまで収納可能なPCスリーブ
小分けに便利なサイドポケット
すぐにアクセスできる上部ポケット
背負った状態でも手が届く背面ポケット
機能だけのバックパックにはしたくない
メイン収納は可変式セパレート


今回のバックパックの目玉となる機能がメインの収納部分。
ここは上下で部屋が区切られた仕様になっているので、大きな収納部分を2つに分けて使うことができます。
写真が好きな人は上の収納にカメラを入れて出し入れしやすくしたり、仕事帰りにジムに通う社会人の方は下の大きな収納に着替えを入れておいたり。
バッグに入れるものの大きさと、取り出す頻度に応じて上下の部屋を自分好みに使い分けることができます。
上下に収納を分けることで取り出したいものがカバンの奥底に埋もれるのを防いでくれる効果もあります。



さらにこのメイン収納の仕切りはマジックテープで固定しているので、簡単に取り外すこともできます。そうすると上下で2つだった収納が、1つの大きな収納に早変わり。大きな荷物を持ち運びたい時にも、一瞬で収納スペースを増やすことができます。

大きな荷物を持ち運ぶ時は部屋を分けずに広々と使う

ジム通いの方は上に荷物を、下部分に着替えを入れても良し
可変式セパレート構造によって、大きなメイン収納をそのまま使ったり2つに仕切ったりと、自分の用途に応じた使い方ができるようになります。
ガバッと開閉するので中のものが取り出しやすい
メイン収納へは上下2つのジッパーからアクセスが可能です。ここでは2つの収納に合わせて開閉の仕方を変えています。



上部の収納はバッグの側面を斜めに走るようなジップを開けてアクセスします。
通常のバックパックはジップがまっすぐ左右に伸びることが多いですが、あえて斜めにジップを走らせることによりバッグがガバッと開いて、物の出し入れをしやすくしました。



そして下部の収納は上部とはジップの方向を逆に配置。
バッグの底部からジップを開いて中にアクセスできるようになっています。
これによりフロント部分をガバッと開くことができるので、まるでスーツケースのように中に入っているものを俯瞰で見渡すことができます。
上部の収納は上部からガバッと、下部の収納はフロントからガバッと。
バックパックにありがちな物の取り出しにくさや、中に入れた物の確認のしづらさを解消しました。
16インチまで収納可能なPCスリーブ

メインの収納部分と仕切りを1枚隔てた裏側には、PCやタブレットを収納できるスリーブがあります。ここには16インチMacBook Proがギリギリ収まる大きさに調整。仕事でもプライベートでもパソコンを常に持ち運びたいぼくらにとっては大切なスペースです。
小分けに便利なサイドポケット

メイン収納下部の側面には伸縮性のあるポケットを貼り付け。筆箱やモバイルバッテリーなど細々したものを小分けにしておくのに使えます。
すぐにアクセスできる上部ポケット


バッグの天面には、ちょっとした小物や頻繁に使う物を収納できるクイックアクセスポケットを搭載。財布やガジェットポーチ、チケット類などさっと取り出したい物を入れておくのに便利です。
背負った状態でも手が届く背面ポケット


バッグの背中側の下部には、小さな背面ポケットを両側に設置。ここは、バッグを背負いながらでもアクセスがしやすいので、鍵やパスホルダーなどを入れるのに使えそうです。
機能だけのバックパックにはしたくない
ここまでのバックパックの機能についてはぼくら自身もかなり理想に近づいていると感じています。
ただ、バックパックというのは物を運ぶ道具であるだけでなく、大切なファッションアイテムの1つだと感じています。そう考えた時にまだこのバッグは機能が豊富なバッグの域を出ていないと感じています。

例えば、サイズが全体的に大きくて日常使いしにくかったり、バッグを支える補強材を入れすぎたことで“箱感”を強く感じるデザインになってしまいました。(社内ではこのファーストサンプルを“Uber Eatsバッグ”と呼んでいます。)

さらに、見た目以外にもバッグの重心設計が甘く、物を入れた時に背中へのフィット感が弱いことも気になります。
機能に優れたバックパックというのは国内外を探してもたくさん見つかりますが、ぼくらが作りたいのは機能に加えて背負った時の見た目もおしゃれなバックパック。
ここからは前半で紹介したバッグの機能や機構を保ちながら、いかにデザインを洗練させられるかというフェーズに突入。(そして現在もこの長い戦いの最中です…)

フロントのデザインだけでも3つのサンプルを作って検討しています
というわけでこの後も何度もサンプルを作り直しては細かくデザインを詰めていきます。
次回もお楽しみに!
FLOORPACK Vol.2 『理想のバックパックを作るため、バックパックに欲しい要素を洗い出してみた。』

“本当に欲しいモノを作る”をコンセプトにものづくりを行うdripと、バッグブランドLEKT(レクト)による「ぼくたちの理想のバックパックプロジェクト」
前回は理想のバックパックという壮大なテーマを考えるべく、バックパック好きなdrip世代の男女20人に集まってもらいざっくばらんにMTGを行いました。

熱い議論によって生まれたたくさんのアイデアのタネを持ち帰り、ここからdripなりの解釈を加えて1つのバックパックへと昇華させていきます。
今回の話は、プロジェクトの取り仕切りを行って頂いているLEKTの本間さんを交えて、理想のバックパックに欲しい要素をディスカッションするところから始まります。
バックパックに欲しい要素
平岡(drip):理想のバックパックイベント、めちゃめちゃ有意義だったね…
堀口(drip):集まったアイデア組み合わせるだけでも、すごいバックパック作れそう!
本間(LEKT):あとはどういうシーンで誰に使ってもらうかを決めて、要素を取捨選択していく段階ですね。
ということで理想のバックパックとはどういうものか、要素に区切って考えていくことにしました。
バックパックの利用シーン、使って欲しい人

堀口(drip):どうせならカジュアルはもちろん、ビジネスでもある程度使えるものがいいよね。
最近はビジネスでもカジュアルな服装で働く人が増え、フリーランスとして働く人も多くなってきているので、作るならビジカジ両方に対応できるバックパックが理想です。
そしてこのビジカジ両対応というのは、LEKTのブランドコンセプトである“オン・オフがボーダレスになる社会を想定した、カバンの形”というメッセージにも符合します。
ビジネスで使うことを考えると13インチ程度までのPC収納やA4用紙が収納できるなどの機能が挙げられます。また、カジュアルシーンを想定するとカメラやポーチ類を収納できる程度の厚みがあった方が良さそうです。
そしてデザインはビジネススタイルにも違和感なく、私服にも馴染むような都会的でシンプルな外観が必要です。
バックパックの素材感
平岡(drip):イベントで色んなバッグを見たけど、マットなナイロン素材が見た目も良くて使いやすそう。
バックパック本体の素材は本革や麻、帆布などの選択肢もありましたが、防水・防汚性や見た目のスタイリッシュさを考えるとナイロン素材が一番の候補に上がりました。
本間(LEKT):一口にナイロンも種類によって質感は千差万別なので、細かな素材感はサンプル試作で詰めていきましょう。
そしてボディにナイロンを使う前提が決まると、堀口平岡が譲れないのは止水ジップの採用。ジップレールの上から防水性のラバーナイロンを被せることにより耐浸水性を高めるだけでなく、見た目もミニマルな印象になります。
堀口(drip):コストは上がるけど、ナイロン素材を使うなら止水ジップは個人的に外せないポイント。
バックパックのポケットについて

本間(LEKT):使い勝手の要となるポケットについても、細かく詰めていきたいです。
平岡(drip):イベントで挙がった意見を取り入れると、あると便利なポケットはこんな感じかな。
・メインルームを開けなくてもすぐにアクセスできる上部ポケット
・内側の両サイドに伸縮タイプのポケット
・外側の片方サイドにポケット
・背負ったまま物を出し入れできる背面両サイドのポケット
堀口(drip):あとは拡張性というか、中に入れるものに応じてポケットの数や形を変化させられれば便利だよね。
打ち合わせの際になんとなく口から出たこの“ポケットの拡張性”というキーワードが、後にこのバッグの特徴的なギミックの1つになります。
その他バックパックの機能

堀口(drip):他にはバックパックにあったら嬉しい機能ってこんな感じかな?
・型崩れせず、自立したら嬉しい
・スクウェアっぽい形?
・中身がぐちゃぐちゃにならない仕切りのような構造
・荷物が多くてもバッグの下の方に直接アクセスできる
・中が見やすいような明るい内装生地
本間(LEKT):それぞれ相反してしまう要素もあると思うので、うまくバランスを取りながら出来るだけ多くの機能を載せていきたいですね!
内容に応じて形が変わるバックパックのアイデア

2時間ほどのMTGが終わり、欲しい要素をあらかた列挙する3人。そこでふと下記の3つの機能が目につきました。
・中に入れるものに応じてポケットの数や形を変化させる
・中身がぐちゃぐちゃにならない仕切りのような構造
・荷物が多くてもバッグの下の方に直接アクセスできる
堀口(drip):この3つの機能だけど、メインルームを上下に仕切りをつけることでうまく解決できそうなんだよね…
平岡(drip):上の部屋と下の部屋で2つに部屋を分けるってこと?

堀口(drip):例えばカメラとガジェットポーチみたいな高さの低いものを入れる場合は上下で部屋を分けて、高さのある三脚や小旅行の服を入れる時は大きな1部屋として使えるみたいな。
本間(LEKT):アウトドアリュックでは上下で完全に部屋が分かれたバッグはありますが、用途に合わせて変化させるにはそれなりの構造が必要ですね。
平岡(drip):カメラバッグによくあるみたいな、マジックテープで仕切りを取り外しするアイデアは流用できそう。


堀口(drip):例えばこんな感じで先端にだけマジックテープが着いた仕切りを取り付けておいて、必要な時にだけフロントにくっつけて仕切りを作るというのはどうかな。ちょうどカタカナの「ト」みたいな形。
本間(LEKT):薄い素材だと上部に入れた物の重みで背面とフロントにシワが出ちゃいそうな気がしますが、芯材を厚めにすればいけそうですね。
平岡(drip):下の部屋はどこからアクセスするの?横から?

堀口(drip):こんな感じで上はジップを斜めに走らせてガバッと開くようにして、下の部屋にはフロントジップが下から上に開閉するとこっちもガバッと開いて見やすくて使いやすいはず。
平岡(drip):おおお、これは確かに便利そう!
こうしてマジックテープを使って仕切りを作り、メインルームを大きな1部屋として使ったり、上下で分割して2部屋としても使えるようにするというアイデアが新たに生まれました。その後も堰を切ったようにアイデアがたくさん噴出してきます。
本間(LEKT):一旦この辺でファーストサンプルに着手しませんか?アイデアとしても十分ですし、何よりメインルームを仕切るというアイデアや、上下どちらもガバッと開く機構は強度的に実現できるか試してみないと私たちもわかりません。笑

こうして大まかな仕様と方向性が決まったところで、LEKTの工場にファーストサンプルの製作を依頼することに。どんなバッグが上がってくるのか、期待を胸に製品の到着を待ちます。
次回予告:ファーストサンプル到着
次回はついにバックパックのファーストサンプルが到着…!
初回から予想以上の仕上がりに堀口・平岡も大興奮!


“本当に欲しいモノを作る”をコンセプトにものづくりを行うdripと、バッグブランドLEKT(レクト)による「ぼくたちの理想のバックパックプロジェクト」
前回は理想のバックパックという壮大なテーマを考えるべく、バックパック好きなdrip世代の男女20人に集まってもらいざっくばらんにMTGを行いました。

熱い議論によって生まれたたくさんのアイデアのタネを持ち帰り、ここからdripなりの解釈を加えて1つのバックパックへと昇華させていきます。
今回の話は、プロジェクトの取り仕切りを行って頂いているLEKTの本間さんを交えて、理想のバックパックに欲しい要素をディスカッションするところから始まります。
バックパックに欲しい要素
平岡(drip):理想のバックパックイベント、めちゃめちゃ有意義だったね…
堀口(drip):集まったアイデア組み合わせるだけでも、すごいバックパック作れそう!
本間(LEKT):あとはどういうシーンで誰に使ってもらうかを決めて、要素を取捨選択していく段階ですね。
ということで理想のバックパックとはどういうものか、要素に区切って考えていくことにしました。
バックパックの利用シーン、使って欲しい人

堀口(drip):どうせならカジュアルはもちろん、ビジネスでもある程度使えるものがいいよね。
最近はビジネスでもカジュアルな服装で働く人が増え、フリーランスとして働く人も多くなってきているので、作るならビジカジ両方に対応できるバックパックが理想です。
そしてこのビジカジ両対応というのは、LEKTのブランドコンセプトである“オン・オフがボーダレスになる社会を想定した、カバンの形”というメッセージにも符合します。
ビジネスで使うことを考えると13インチ程度までのPC収納やA4用紙が収納できるなどの機能が挙げられます。また、カジュアルシーンを想定するとカメラやポーチ類を収納できる程度の厚みがあった方が良さそうです。
そしてデザインはビジネススタイルにも違和感なく、私服にも馴染むような都会的でシンプルな外観が必要です。
バックパックの素材感
平岡(drip):イベントで色んなバッグを見たけど、マットなナイロン素材が見た目も良くて使いやすそう。
バックパック本体の素材は本革や麻、帆布などの選択肢もありましたが、防水・防汚性や見た目のスタイリッシュさを考えるとナイロン素材が一番の候補に上がりました。
本間(LEKT):一口にナイロンも種類によって質感は千差万別なので、細かな素材感はサンプル試作で詰めていきましょう。
そしてボディにナイロンを使う前提が決まると、堀口平岡が譲れないのは止水ジップの採用。ジップレールの上から防水性のラバーナイロンを被せることにより耐浸水性を高めるだけでなく、見た目もミニマルな印象になります。
堀口(drip):コストは上がるけど、ナイロン素材を使うなら止水ジップは個人的に外せないポイント。
バックパックのポケットについて

本間(LEKT):使い勝手の要となるポケットについても、細かく詰めていきたいです。
平岡(drip):イベントで挙がった意見を取り入れると、あると便利なポケットはこんな感じかな。
・メインルームを開けなくてもすぐにアクセスできる上部ポケット
・内側の両サイドに伸縮タイプのポケット
・外側の片方サイドにポケット
・背負ったまま物を出し入れできる背面両サイドのポケット
堀口(drip):あとは拡張性というか、中に入れるものに応じてポケットの数や形を変化させられれば便利だよね。
打ち合わせの際になんとなく口から出たこの“ポケットの拡張性”というキーワードが、後にこのバッグの特徴的なギミックの1つになります。
その他バックパックの機能

堀口(drip):他にはバックパックにあったら嬉しい機能ってこんな感じかな?
・型崩れせず、自立したら嬉しい
・スクウェアっぽい形?
・中身がぐちゃぐちゃにならない仕切りのような構造
・荷物が多くてもバッグの下の方に直接アクセスできる
・中が見やすいような明るい内装生地
本間(LEKT):それぞれ相反してしまう要素もあると思うので、うまくバランスを取りながら出来るだけ多くの機能を載せていきたいですね!
内容に応じて形が変わるバックパックのアイデア

2時間ほどのMTGが終わり、欲しい要素をあらかた列挙する3人。そこでふと下記の3つの機能が目につきました。
・中に入れるものに応じてポケットの数や形を変化させる
・中身がぐちゃぐちゃにならない仕切りのような構造
・荷物が多くてもバッグの下の方に直接アクセスできる
堀口(drip):この3つの機能だけど、メインルームを上下に仕切りをつけることでうまく解決できそうなんだよね…
平岡(drip):上の部屋と下の部屋で2つに部屋を分けるってこと?

堀口(drip):例えばカメラとガジェットポーチみたいな高さの低いものを入れる場合は上下で部屋を分けて、高さのある三脚や小旅行の服を入れる時は大きな1部屋として使えるみたいな。
本間(LEKT):アウトドアリュックでは上下で完全に部屋が分かれたバッグはありますが、用途に合わせて変化させるにはそれなりの構造が必要ですね。
平岡(drip):カメラバッグによくあるみたいな、マジックテープで仕切りを取り外しするアイデアは流用できそう。


堀口(drip):例えばこんな感じで先端にだけマジックテープが着いた仕切りを取り付けておいて、必要な時にだけフロントにくっつけて仕切りを作るというのはどうかな。ちょうどカタカナの「ト」みたいな形。
本間(LEKT):薄い素材だと上部に入れた物の重みで背面とフロントにシワが出ちゃいそうな気がしますが、芯材を厚めにすればいけそうですね。
平岡(drip):下の部屋はどこからアクセスするの?横から?

堀口(drip):こんな感じで上はジップを斜めに走らせてガバッと開くようにして、下の部屋にはフロントジップが下から上に開閉するとこっちもガバッと開いて見やすくて使いやすいはず。
平岡(drip):おおお、これは確かに便利そう!
こうしてマジックテープを使って仕切りを作り、メインルームを大きな1部屋として使ったり、上下で分割して2部屋としても使えるようにするというアイデアが新たに生まれました。その後も堰を切ったようにアイデアがたくさん噴出してきます。
本間(LEKT):一旦この辺でファーストサンプルに着手しませんか?アイデアとしても十分ですし、何よりメインルームを仕切るというアイデアや、上下どちらもガバッと開く機構は強度的に実現できるか試してみないと私たちもわかりません。笑

こうして大まかな仕様と方向性が決まったところで、LEKTの工場にファーストサンプルの製作を依頼することに。どんなバッグが上がってくるのか、期待を胸に製品の到着を待ちます。
次回予告:ファーストサンプル到着
次回はついにバックパックのファーストサンプルが到着…!
初回から予想以上の仕上がりに堀口・平岡も大興奮!


FLOORPACK Vol.1 『本当に欲しいバックパックについて、20人で本気出して考えてみた。』

PRESSoやonegerを筆頭に多くの生活雑貨やファッション小物を作っていると必ず聞かれるのが「dripでバックパックは作らないんですか?」という質問。
バックパックを開発したいという気持ちは私たちも前々から持っていたのですが、すぐに行動できなかったのには2つの理由があります。
1つが信頼できるメーカーさんが見つからなかったこと。
dripの強みはコンセプト作りと製品デザインなので、実際の製造においてはきちんとした専門家の力が不可欠です。
もう1つが“理想のバックパック”についてアイデアが不足していたこと。
dripのものづくりの理念は「僕たちが本当に欲しいもの」です。これまで断片的に理想のバッグの条件はあっても、「これ!」というバッグのアイデアまでには至っていませんでした。
LEKTとの出会い
そんな時に出会ったのが「LEKT(レクト)」というバッグブランド。

2019年の夏の終わり頃、dripの活動を知ってくださり「一緒に何かしたい」ということでお声がけいただいたのが出会いのきっかけです。
その後ブランドの方とお話をしていると、中でものづくりへのこだわりや感性が近いと感じる部分が多くすっかり意気投合。


実際にLEKTさんの製品を使わせていただいた際も、製品を通して確かな技術力と熱量を持ったブランドさんだということが伝わってきました。
平岡:LEKTさんとなら妥協のない僕らが本当に欲しいバックパックを作れる
そう感じた私たちはLEKTさんとバックパックを共同開発しようと決めました。
理想のアイデアを求めて
信頼できるパートナーさんが見つかったら、あと1つ必要なのは理想のバックパックに関するアイデア。
さっきも言った通りすでに堀口・平岡の頭の中には理想の断片となるような構想はあるのですが、それをまだカタチとして決めきれない状況でした。そんな時に思い出したのはPRESSoを開発した時のこと。



当時も“キャッシュレス時代に本当に欲しい財布”というざっくりしたアイデアから、たくさんの人に意見を聞いてアイデアを1つの製品へと膨らませて行きました。
きっとdrip世代なら誰でも自分にとっての「理想のバックパック」について、並々ならぬ情熱とアイデアを持っているはず。
そう感じた私たちはバックパック好きな同世代を集めて、「理想のバックパックについて語ろう」というイベントを開催しました。それが2019年11月のことです。
高い熱量と鋭いアイデアが次々と生まれる

というわけで東京・新橋にてバックパックにこだわりを持つ同世代の男女20人を集めて、座談会を行いました。
・いま自分が使っているバックパックの良いところ
・私の理想のバックパックについて
・グループで最強のバックパックを考えよう




当日は自分のバックパック愛をひたすら語り合い、話を聞いた人がその場で同じものを購入したりと大盛り上がり。

みんなで話し合って最強のバックパックを作ろうという趣旨で、各グループがプレゼン並みの熱量で発表するなど主催の私たちの想像もしないアイデアがたくさん飛び出しました。

最後はみんなで集合写真を撮影してこの日は終了。当日出たアイデアを元に、ここからLEKTさんと一緒に細かなバックパックの仕様を決めていきます。
広げに広げた理想のバックパックの意見がきちんと1つの形にまとまるのか、不安はありますがそれ以上に今はワクワクでいっぱい。
dripによる「僕たちが本当に欲しいバックパック」開発、ここから本格的にスタートです!
PRESSoやonegerを筆頭に多くの生活雑貨やファッション小物を作っていると必ず聞かれるのが「dripでバックパックは作らないんですか?」という質問。
バックパックを開発したいという気持ちは私たちも前々から持っていたのですが、すぐに行動できなかったのには2つの理由があります。
1つが信頼できるメーカーさんが見つからなかったこと。
dripの強みはコンセプト作りと製品デザインなので、実際の製造においてはきちんとした専門家の力が不可欠です。
もう1つが“理想のバックパック”についてアイデアが不足していたこと。
dripのものづくりの理念は「僕たちが本当に欲しいもの」です。これまで断片的に理想のバッグの条件はあっても、「これ!」というバッグのアイデアまでには至っていませんでした。
LEKTとの出会い
そんな時に出会ったのが「LEKT(レクト)」というバッグブランド。

2019年の夏の終わり頃、dripの活動を知ってくださり「一緒に何かしたい」ということでお声がけいただいたのが出会いのきっかけです。
その後ブランドの方とお話をしていると、中でものづくりへのこだわりや感性が近いと感じる部分が多くすっかり意気投合。


実際にLEKTさんの製品を使わせていただいた際も、製品を通して確かな技術力と熱量を持ったブランドさんだということが伝わってきました。
平岡:LEKTさんとなら妥協のない僕らが本当に欲しいバックパックを作れる
そう感じた私たちはLEKTさんとバックパックを共同開発しようと決めました。
理想のアイデアを求めて
信頼できるパートナーさんが見つかったら、あと1つ必要なのは理想のバックパックに関するアイデア。
さっきも言った通りすでに堀口・平岡の頭の中には理想の断片となるような構想はあるのですが、それをまだカタチとして決めきれない状況でした。そんな時に思い出したのはPRESSoを開発した時のこと。



当時も“キャッシュレス時代に本当に欲しい財布”というざっくりしたアイデアから、たくさんの人に意見を聞いてアイデアを1つの製品へと膨らませて行きました。
きっとdrip世代なら誰でも自分にとっての「理想のバックパック」について、並々ならぬ情熱とアイデアを持っているはず。
そう感じた私たちはバックパック好きな同世代を集めて、「理想のバックパックについて語ろう」というイベントを開催しました。それが2019年11月のことです。
高い熱量と鋭いアイデアが次々と生まれる

というわけで東京・新橋にてバックパックにこだわりを持つ同世代の男女20人を集めて、座談会を行いました。
・いま自分が使っているバックパックの良いところ
・私の理想のバックパックについて
・グループで最強のバックパックを考えよう




当日は自分のバックパック愛をひたすら語り合い、話を聞いた人がその場で同じものを購入したりと大盛り上がり。

みんなで話し合って最強のバックパックを作ろうという趣旨で、各グループがプレゼン並みの熱量で発表するなど主催の私たちの想像もしないアイデアがたくさん飛び出しました。

最後はみんなで集合写真を撮影してこの日は終了。当日出たアイデアを元に、ここからLEKTさんと一緒に細かなバックパックの仕様を決めていきます。
広げに広げた理想のバックパックの意見がきちんと1つの形にまとまるのか、不安はありますがそれ以上に今はワクワクでいっぱい。
dripによる「僕たちが本当に欲しいバックパック」開発、ここから本格的にスタートです!
転職ではなく起業を選んだ理由 堀口英剛 【わたしの恩モノ】

こんにちは。dripインターン生のはるっちです。
「人生を変えたモノ」をテーマにお届けする連載【わたしの恩モノ】。
今回は、株式会社ドリップ 代表取締役社長の堀口英剛さんにお話を伺いました。
「転職ではなく起業を選んだ理由」、そしてdripのモノづくりに込められた想いについて語っていただきます。

インタビューに答える堀口氏
堀口英剛
株式会社ドリップ代表取締役社長。
早稲田大学商学部卒業後、Yahoo! 株式会社(現 LINEヤフー株式会社)入社。
20万人のテック好きが集まるモノメディア「monograph」の管理人。
最近の趣味は植物と3Dプリンター。
目次
人生を変えたもの
これまでのキャリア
モノ選びの基準
今後のキャリアと展望
【まとめ】「自分だけのモノ」が、人生を変える。
人生を変えたもの
はるっち:堀口さんはこれまで「人生を変えたもの」というテーマでいくつかのアイテムを動画やブログで紹介されていますが、「実は紹介していないけれど、人生を変えたもの」ってありますか?
堀口:ありますね。普段から使っていたけれど、ブログや動画では紹介していないものがあります。それは、会社員時代に使っていた「HERZ(ヘルツ)」という革ブランドの手提げカバンです。

HERZ(ヘルツ)の手提げカバン
はるっち:人生を変えたカバン、ですか。どんなきっかけで出会ったんですか?
堀口:新卒の頃、「ちゃんとしたカバンが欲しいな」と思って探していたんです。
でも普通のビジネスバッグはみんな同じで、つまらない。せっかく働くなら、持っていてワクワクするものがいいなと思って。そこで出会ったのがヘルツのカバンでした。
無垢の革でコーティングもなく、汚れやすいけれど、使い込むほどに味が出る。
「これは自分だけのカバンになるな」と思って購入しました。
はるっち:そのカバンは、普通に購入されたんですか?
堀口:いや、少し違っていて。お店で見たとき、「これをリュックとして背負いたい」と思ったんです。
そこで、「ベルトを付けてリュックにできませんか?」とお願いしてみたんですが、「難しいです」と言われました。
それでも頼み込んで、特別に作ってもらったんです。

ベルトを付けてリュックとして背負えるように。
はるっち:それはかなり思い切ったオーダーですね(笑)。
堀口:そうそう。でもそのおかげで、“世界に一つだけ”のカバンになりました。会社員時代、そのカバンを背負って取引先を回っていたら、「スーツで革のランドセルみたいなカバンを背負ってる子、誰?」と話題になり、自分のことを覚えてもらえるようになりました。「コナンくん」って呼ばれていたみたいです(笑)。
はるっち:それはインパクトありますね。
堀口:そうなんです。トレードマークのようになって、顔を覚えてもらえるようになった。
結果的に仕事もうまくいくようになりました。まさに「人生を変えたカバン」ですね。
はるっち:会社員時代ずっと使っていたんですか?
堀口:はい、2年ほどですね。今はスーツを着なくなったので出番はありませんが、ずっと大切に保管しています。
「人生を変えてくれたもの」として特別な存在です。
はるっち:それが今のdripのモノづくりにもつながっているんですね。
堀口:そうですね。革の大きなカバンは格好いいけど、重くて毎日使うには不便です。でも、「自分だけのものが武器になる」という感覚を得られたのは大きかった。
その体験が、dripの「FLOORPACK」などの製品づくりにつながっています。軽くて丈夫、でもちゃんと“自分らしさ”を感じられるモノづくりの原点です。
これまでのキャリア
はるっち:大学時代はどんなことを学んでいたんですか?
堀口:早稲田大学商学部で、経営に近いことを学んでいました。
でも正直、実践的な知識はあまり残っていません(笑)。
それよりも大きかったのはビジネスコンテストです。
早稲田の大会で優勝したり、大手広告会社主催の大会でも優勝したり。
その経験を通して、広告やWeb業界に興味を持ちました。
はるっち:ご実家が自営業と聞きました。
堀口:はい、水道屋です。だからサラリーマン生活に強い憧れはなく、「自分でやりたい」という気持ちは最初からありました。
はるっち:大学を卒業してから、すぐに起業されたんですか?
堀口:いえ、最初は会社に就職しました。
当時はブログを運営していて、ある程度の収益もありました。
でももっと広い世界を知りたかったんです。
「日本で一番大きなメディアを見れば、Webメディアの全体像がわかる」と思って、ヤフー株式会社(現 LINEヤフー株式会社)に入社しました。
はるっち:配属は希望通りでしたか?
堀口:いえ、営業でした(笑)。
でも今思えば、それが正解でした。広告営業を通じて「メディアがどうやってお金を稼ぐのか」を実感できましたし、社外とのつながりも増えました。
はるっち:会社員時代もブログは続けていたんですか?
堀口:はい。会社にきちんと申請をして、許可をもらったうえで細々と続けていました。
ただ、「本業をおろそかにするのは絶対NG」と決めていたので、両立にはかなり気を遣っていましたね。
はるっち:その経験がdripにつながったんですね。
堀口:そうです。会社員時代に学んだ「メディアのお金の流れ」や営業経験が、今のdripの活動に直結しています。
もしヘルツのカバンに出会っていなかったら、もしマザーハウスに出会っていなかったら、、、今の製品はきっと生まれていなかったと思います。
モノ選びの基準
はるっち:堀口さんのモノ選びの基準は何ですか?
堀口:「愛着」と「使いやすさ」です。
革は使い込むほどに味が出て、自分だけのものになる。
だからdripの商品にも革を取り入れて、長く愛着を持ってもらいたいんです。
はるっち:確かに、その考え方は「FLOORPACK」にも表れていますね。

2階建てだから取り出しやすい、しまいやすい「FLOORPACK ver.2」
堀口:そうですね。「FLOORPACK」 は、2階構造の収納で機能性を高めつつ、底面をはじめとした各部に革を使って個性を出しています。

仕事道具 / ジム用品など用途で収納を分けたい場合は仕切りを使って2部屋に。

大きな荷物を持ち運ぶ時は仕切りを外して広々と1部屋としても使える。

底面をはじめとした各部に、肉厚な牛革にオイルとワックスをたっぷりと浸透させ、新品状態から特有の光沢感を持つ皮革素材「熟成レザー」を使用。
「愛着」と「使いやすさ」の2つを両立できたのが、「FLOORPACK」の魅力だと思います。
「FLOORPACK」については下記の動画もぜひご視聴ください。
今後のキャリアと展望
はるっち:今後のキャリアについては、どう考えていますか?
堀口:dripはまだ途中のブランドです。
「dripといえばこれ」「dripだから買いたい」と言ってもらえる存在に育てていきたいと思っています。
ライフスタイル全体に広がるような展開も考えています。
はるっち:今後つくりたいものはありますか?
堀口:カバンの中身はだいぶ揃ってきたので、次は“部屋の中身”をdripで満たしたいですね。デスクや椅子など、生活空間を彩るプロダクトも作りたいです。最終的には「dripホテル」みたいな、空間全体をdripでデザインすることが目標です。
はるっち:それは素敵ですね。
堀口:那須に拠点を作って、dripデザインの家を建てて、、、そんな未来を思い描いています。
はるっち:個人として挑戦してみたいことはありますか?たとえば新しいガジェットを作るとか。
堀口:実は「conductor」というデバイスを開発しているんですが、そこに「Shift Control」というコンセプトを込めています。

トラックボール付きの左右分割型キーボード「conductor」
はるっち:Shift Control?
堀口:シフトキーとコントロールキーから着想を得ていて、「コントロールの仕方をシフトする」という意味です。
今は画面を見て操作するのが当たり前ですが、将来的にはサングラス型やコンタクト型デバイスなど、もっと自然な操作が主流になると思うんです。
その未来と今をつなぐ存在が「conductor」。
未来のデバイスへの過渡期にある存在として、人とテクノロジーの関係を少しずつ変えていきたいと思っています。
はるっち:「Shift Control」って、“操作の発想を変える”という意味なんですね。すごく面白いです。
堀口:今は画面を見るのが当たり前ですが、未来はもっと自然な操作になると思います。「conductor」は、その未来へ橋をかける存在なんです。
はるっち:「指揮者」という名前もぴったりですね。
テクノロジーと人が調和して動く未来、楽しみです。
堀口:ありがとうございます。操作がもっと人に寄り添うことで、創造の自由が広がると信じています。
【まとめ】「自分だけのモノ」が、人生を変える。
今回の【わたしの恩モノ】では、株式会社ドリップ代表の堀口英剛さんにお話を伺いました。
印象に残ったのは、堀口さんが語る「モノ」と「生き方」のつながりです。
堀口さんが会社員時代に出会った HERZの手提げカバン は、まさに“人生を変えたモノ”。「自分だけのものを持つことが、自分らしさをつくる」と教えてくれたそうです。
その経験が、今のdripのモノづくり──たとえば FLOORPACK の「愛着×使いやすさ」という考え方につながっています。
そしてもう一つ印象的だったのが、新しい挑戦「conductor」。
「Shift Control=操作の発想を変える」という言葉には、未来のデバイスに向けたワクワクが詰まっていました。
“テクノロジーが人に合わせてくれる”世界を目指す堀口さんの姿勢に、私自身も胸が高鳴りました。
HERZのカバンから始まった「自分らしさ」の探求が、今も形を変えて続いている。
堀口さんのモノづくりには、そんな“変わらない芯”を感じました。
こんにちは。dripインターン生のはるっちです。
「人生を変えたモノ」をテーマにお届けする連載【わたしの恩モノ】。
今回は、株式会社ドリップ 代表取締役社長の堀口英剛さんにお話を伺いました。
「転職ではなく起業を選んだ理由」、そしてdripのモノづくりに込められた想いについて語っていただきます。

インタビューに答える堀口氏
堀口英剛
株式会社ドリップ代表取締役社長。
早稲田大学商学部卒業後、Yahoo! 株式会社(現 LINEヤフー株式会社)入社。
20万人のテック好きが集まるモノメディア「monograph」の管理人。
最近の趣味は植物と3Dプリンター。
目次
人生を変えたもの
これまでのキャリア
モノ選びの基準
今後のキャリアと展望
【まとめ】「自分だけのモノ」が、人生を変える。
人生を変えたもの
はるっち:堀口さんはこれまで「人生を変えたもの」というテーマでいくつかのアイテムを動画やブログで紹介されていますが、「実は紹介していないけれど、人生を変えたもの」ってありますか?
堀口:ありますね。普段から使っていたけれど、ブログや動画では紹介していないものがあります。それは、会社員時代に使っていた「HERZ(ヘルツ)」という革ブランドの手提げカバンです。

HERZ(ヘルツ)の手提げカバン
はるっち:人生を変えたカバン、ですか。どんなきっかけで出会ったんですか?
堀口:新卒の頃、「ちゃんとしたカバンが欲しいな」と思って探していたんです。
でも普通のビジネスバッグはみんな同じで、つまらない。せっかく働くなら、持っていてワクワクするものがいいなと思って。そこで出会ったのがヘルツのカバンでした。
無垢の革でコーティングもなく、汚れやすいけれど、使い込むほどに味が出る。
「これは自分だけのカバンになるな」と思って購入しました。
はるっち:そのカバンは、普通に購入されたんですか?
堀口:いや、少し違っていて。お店で見たとき、「これをリュックとして背負いたい」と思ったんです。
そこで、「ベルトを付けてリュックにできませんか?」とお願いしてみたんですが、「難しいです」と言われました。
それでも頼み込んで、特別に作ってもらったんです。

ベルトを付けてリュックとして背負えるように。
はるっち:それはかなり思い切ったオーダーですね(笑)。
堀口:そうそう。でもそのおかげで、“世界に一つだけ”のカバンになりました。会社員時代、そのカバンを背負って取引先を回っていたら、「スーツで革のランドセルみたいなカバンを背負ってる子、誰?」と話題になり、自分のことを覚えてもらえるようになりました。「コナンくん」って呼ばれていたみたいです(笑)。
はるっち:それはインパクトありますね。
堀口:そうなんです。トレードマークのようになって、顔を覚えてもらえるようになった。
結果的に仕事もうまくいくようになりました。まさに「人生を変えたカバン」ですね。
はるっち:会社員時代ずっと使っていたんですか?
堀口:はい、2年ほどですね。今はスーツを着なくなったので出番はありませんが、ずっと大切に保管しています。
「人生を変えてくれたもの」として特別な存在です。
はるっち:それが今のdripのモノづくりにもつながっているんですね。
堀口:そうですね。革の大きなカバンは格好いいけど、重くて毎日使うには不便です。でも、「自分だけのものが武器になる」という感覚を得られたのは大きかった。
その体験が、dripの「FLOORPACK」などの製品づくりにつながっています。軽くて丈夫、でもちゃんと“自分らしさ”を感じられるモノづくりの原点です。
これまでのキャリア
はるっち:大学時代はどんなことを学んでいたんですか?
堀口:早稲田大学商学部で、経営に近いことを学んでいました。
でも正直、実践的な知識はあまり残っていません(笑)。
それよりも大きかったのはビジネスコンテストです。
早稲田の大会で優勝したり、大手広告会社主催の大会でも優勝したり。
その経験を通して、広告やWeb業界に興味を持ちました。
はるっち:ご実家が自営業と聞きました。
堀口:はい、水道屋です。だからサラリーマン生活に強い憧れはなく、「自分でやりたい」という気持ちは最初からありました。
はるっち:大学を卒業してから、すぐに起業されたんですか?
堀口:いえ、最初は会社に就職しました。
当時はブログを運営していて、ある程度の収益もありました。
でももっと広い世界を知りたかったんです。
「日本で一番大きなメディアを見れば、Webメディアの全体像がわかる」と思って、ヤフー株式会社(現 LINEヤフー株式会社)に入社しました。
はるっち:配属は希望通りでしたか?
堀口:いえ、営業でした(笑)。
でも今思えば、それが正解でした。広告営業を通じて「メディアがどうやってお金を稼ぐのか」を実感できましたし、社外とのつながりも増えました。
はるっち:会社員時代もブログは続けていたんですか?
堀口:はい。会社にきちんと申請をして、許可をもらったうえで細々と続けていました。
ただ、「本業をおろそかにするのは絶対NG」と決めていたので、両立にはかなり気を遣っていましたね。
はるっち:その経験がdripにつながったんですね。
堀口:そうです。会社員時代に学んだ「メディアのお金の流れ」や営業経験が、今のdripの活動に直結しています。
もしヘルツのカバンに出会っていなかったら、もしマザーハウスに出会っていなかったら、、、今の製品はきっと生まれていなかったと思います。
モノ選びの基準
はるっち:堀口さんのモノ選びの基準は何ですか?
堀口:「愛着」と「使いやすさ」です。
革は使い込むほどに味が出て、自分だけのものになる。
だからdripの商品にも革を取り入れて、長く愛着を持ってもらいたいんです。
はるっち:確かに、その考え方は「FLOORPACK」にも表れていますね。

2階建てだから取り出しやすい、しまいやすい「FLOORPACK ver.2」
堀口:そうですね。「FLOORPACK」 は、2階構造の収納で機能性を高めつつ、底面をはじめとした各部に革を使って個性を出しています。

仕事道具 / ジム用品など用途で収納を分けたい場合は仕切りを使って2部屋に。

大きな荷物を持ち運ぶ時は仕切りを外して広々と1部屋としても使える。

底面をはじめとした各部に、肉厚な牛革にオイルとワックスをたっぷりと浸透させ、新品状態から特有の光沢感を持つ皮革素材「熟成レザー」を使用。
「愛着」と「使いやすさ」の2つを両立できたのが、「FLOORPACK」の魅力だと思います。
「FLOORPACK」については下記の動画もぜひご視聴ください。
今後のキャリアと展望
はるっち:今後のキャリアについては、どう考えていますか?
堀口:dripはまだ途中のブランドです。
「dripといえばこれ」「dripだから買いたい」と言ってもらえる存在に育てていきたいと思っています。
ライフスタイル全体に広がるような展開も考えています。
はるっち:今後つくりたいものはありますか?
堀口:カバンの中身はだいぶ揃ってきたので、次は“部屋の中身”をdripで満たしたいですね。デスクや椅子など、生活空間を彩るプロダクトも作りたいです。最終的には「dripホテル」みたいな、空間全体をdripでデザインすることが目標です。
はるっち:それは素敵ですね。
堀口:那須に拠点を作って、dripデザインの家を建てて、、、そんな未来を思い描いています。
はるっち:個人として挑戦してみたいことはありますか?たとえば新しいガジェットを作るとか。
堀口:実は「conductor」というデバイスを開発しているんですが、そこに「Shift Control」というコンセプトを込めています。

トラックボール付きの左右分割型キーボード「conductor」
はるっち:Shift Control?
堀口:シフトキーとコントロールキーから着想を得ていて、「コントロールの仕方をシフトする」という意味です。
今は画面を見て操作するのが当たり前ですが、将来的にはサングラス型やコンタクト型デバイスなど、もっと自然な操作が主流になると思うんです。
その未来と今をつなぐ存在が「conductor」。
未来のデバイスへの過渡期にある存在として、人とテクノロジーの関係を少しずつ変えていきたいと思っています。
はるっち:「Shift Control」って、“操作の発想を変える”という意味なんですね。すごく面白いです。
堀口:今は画面を見るのが当たり前ですが、未来はもっと自然な操作になると思います。「conductor」は、その未来へ橋をかける存在なんです。
はるっち:「指揮者」という名前もぴったりですね。
テクノロジーと人が調和して動く未来、楽しみです。
堀口:ありがとうございます。操作がもっと人に寄り添うことで、創造の自由が広がると信じています。
【まとめ】「自分だけのモノ」が、人生を変える。
今回の【わたしの恩モノ】では、株式会社ドリップ代表の堀口英剛さんにお話を伺いました。
印象に残ったのは、堀口さんが語る「モノ」と「生き方」のつながりです。
堀口さんが会社員時代に出会った HERZの手提げカバン は、まさに“人生を変えたモノ”。「自分だけのものを持つことが、自分らしさをつくる」と教えてくれたそうです。
その経験が、今のdripのモノづくり──たとえば FLOORPACK の「愛着×使いやすさ」という考え方につながっています。
そしてもう一つ印象的だったのが、新しい挑戦「conductor」。
「Shift Control=操作の発想を変える」という言葉には、未来のデバイスに向けたワクワクが詰まっていました。
“テクノロジーが人に合わせてくれる”世界を目指す堀口さんの姿勢に、私自身も胸が高鳴りました。
HERZのカバンから始まった「自分らしさ」の探求が、今も形を変えて続いている。
堀口さんのモノづくりには、そんな“変わらない芯”を感じました。